京都東山三条 白澤堂ブログ〜東洋の医学と哲学

東洋医学の魅力と奥深さを紹介するブログ

冬至に体調を調え新年に備えましょう

みなさま、こんにちは!!!

京都東山三条の

鍼灸接骨院 白澤堂HAKUTAKUDOU

院長の長濱です。

当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

 

 

今日は12月22日、二十四節気でいえば冬至です。

北半球では昼が最も短くなる日ですね。

 

冬至は陰気が最大となり陽気の芽生える時期です。

陰極まって陽に転じるときです。

巡り巡って再び一陽が生じることから、冬至の日を古来より「一陽来復」と称します。

 

この日を境に、少しずつ太陽の位置が北側へ移動するため日の長さが長くなっていきます。

明けない夜はない、というわけですね。

 

もともと一陽来復は、易(えき)からきています。

 

冬至の日は、坤(こん)という6つの陰爻(- -)で表される陰卦の最たるものですが、その次の卦が、先ほどの坤の卦の一番下が1つの陽爻(ー)に変化した復(ふく)という卦になります。

1つの陽爻が陰爻の一番下に芽生えた復という卦なので、「一陽来復」ということです。

 

復の卦は、地を表す卦の下に、雷(かみなり)を表す卦を組み合わせてできる卦です。

 

なので、地雷復(ちらいふく)といいます。

 

寒い大地の奥深くにこれから芽吹こうとしてうごめきはじめた生命の力を表現しています。ゴロゴロゴロ〜ッと振動する起爆的な力が雷のようです。

 

ですから、物事が転じて、これから躍動してゆく様としても「一陽来復」が使われる所以です。

 

冬至の日、一陽来復の時期は、十二支で表すと、「子(ね)」の時期です。

 

十二支の「子」のもともとの意味は、俗に云うねずみではなく、「孶(はらむ)」という字義です。

 

子を成し、植物でいえば種子が地中で生命力を発現させた段階。人間でいえば胎盤に受精卵が着床した段階です。

 

これから、陽気が芽生え成長してゆくのですね。

 

そして、この「子」ですが、内臓でいえば「胆」に相当します。胆とは、胆のうのことです。

 

胆がこの時期にくるのは、陰と陽の境目であるからです。胆の字にも表れていますが、胆は月と日の字が入っています。月は太陰、日は太陽です。太陰が極まって、一陽が地平線から姿を現すさまです。元旦の旦の字ですね。

古代中国では、冬至がまさに正月でした(唐の正月などと云うみたいです)。

 

そして、太陰と太陽の間を少陽と云います。少陽は一陽に属しますので、胆は少陽を司ります。ですので、十二経絡の一つ、少陽胆経などと呼ぶわけです。

 

この胆は、一陽の出現する大切な時期であるというだけでなく、枢軸のように中心を意味しています。身体の中心軸には脳と脊髄という身体の中枢神経があり、自律神経も含めた神経系の調節にも関わっています。胆の経絡上には髄に関係する絶骨というツボがあり、脳や脊髄・造血にかかわるツボであることからも、胆の大切さが伺えます。

また、身体の横軸でもある帯脈とも関係し、身体を縦に走る十二経絡すべてを束ねる重要な働きにもら関わるため、「胆」を最重要視する学派も存在します。

 

それくらい、冬至の子の時期というのは、転換期であり重要な時期であるということもできるでしょう。ですので、養生の観点からも重視される時期でもあります。

後ほど、冬至の養生をご紹介します。

 

また、一年における子の時期は冬至でありますが、一日における子の時期、つまり子の刻というのは夜の23時から1時の間のことを云います。

 

この時間に、本来人間は床について休んでいることが望ましいのです。一陽が生まれるこの時間からが、身体を回復させる黄金時間であり、成長ホルモンが分泌される時間となります。

 

あるいは、静かに坐功(座禅)をするとよいと云われています。心(神)を鎮めて元の一に還る、元神に還るのが重要です。

 

夜通しスマホをみたり、飲食をしたり、仕事などで身体を休ませなければ、回復する時間をつくることができずいつかは体調を崩してしまうことになりかねません。

 

22時30分には寝る準備をし、23 時には寝ておくことをお勧めします。毎日が難しい方は、週に一日か二日だけでも、そのような日を設けると良いでしょう。眠れなくても、眼を閉じて静かに呼吸を落ち着かせる時間をつくることが大切です。

 

冬至になると、やはり陰寒の冷気と乾燥の気が強まってきますから、冷えと乾燥を防ぎ、腎を養うことが大切になってきます。

 

食養生としては、乾燥と冷えの影響を抑えるために蜂蜜を摂る、黒ゴマを摂ると良いでしょう。

黒ゴマにはシスチンというタンパク質、ビタミンBおよびEが豊富で、皮脂分泌を増加させ、肌の弾力性を改善し、繊細さを保ちます。黒ゴマに含まれるビタミンEや不飽和脂肪酸は、肌に栄養を与え、黒色は腎気を強めますから、老化を送らせる作用を期待できるでしょう。

 

小豆粥も身体を温めて腎を強くし、風邪を予防する冬の養生にうってつけの食事です。

 

もちろん、カロチンやビタミンを多く含むカボチャを冬至に食べたり、柚子湯につかるなどの従来の養生も肌を綺麗に保ち、風邪をひきにくくしますから良い習慣といえるでしょう。

 

他に、海藻類に含まれるフコイダンには抗インフルエンザウイルス作用があるので、お粥などにして食すことがおすすめです。

 

冬至の日には、陰陽変化の転換期に身体を壊さないよう、お臍に温灸をするとよいと云われています。当院ではそうした季節に合わせた治療を実施していますので、体調に不安のある方、年末年始に体調を整えておきたい方は、お気軽にご連絡ください。

 

 

鍼灸接骨院《白澤堂HAKUTAKUDOU》

鍼灸・接骨院 白澤堂HAKUTAKUDOU | 中国脈診による鍼灸と関節整復により早期回復を目指す治療院